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大野麥風 展「大日本魚類画集」と博物画にみる魚たち [美術・デザイン探訪]


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東京ステーションギャラリーで大野麥風(ばくふう)という人の展示を観た。日本画で描かれた魚介類のたくさんの木版画。独特の世界だけど、とても精密で美しい絵だった。魚というのは絵に描く時はだいたい横から見た姿を描くけれど、実際には動いていることが多いということも充分に表現された、とても動きのある構図が多くて躍動感がある。魚というのは、もともと愛嬌がある顔をしているので、マジメに描いてあってもなんだかかわいく見える。もちろん、魚への愛あふれる人が描いているからというのもあるだろう。水族館にいるような気になるくらいの魚の版画がみられた。日本の古い絵という意味では、たとえば滋賀「大津絵」などを民藝館などでよくみかけるけれど、笑っていない鬼などが出てくるのになんだか愛嬌がある姿。単に笑顔を描くことなどとは違い、そういうものには深い明るさを感じる。
そのあと、コーヒーを飲んで、ハーマンミラーのお店を覗いて、三菱一号館美術館へ。「浮世絵Floating World」を観た。展示を2本観るのはなかなか疲れる。ちょっと駆け足になってしまったが、こちらも版画中心でなかなか楽しく、日本画の色合いはとても美しく、構図のすばらしい絵がたくさんあった。まったく違ったジャンルの絵でも、やはり展示を観に行くのはとても勉強になる。必ず「あのアイデアで作品をつくってみよう」などと、何かを思いつくことが多い。
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