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作品_秋の森 [作品]


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最近、絵を描いていて(ぼくにとっては、切り絵は絵を描いている感覚そのものです)、整いすぎていない美しさ、偶然に出てきた線、切り口だからできるラインなどに素直に従った作品をつくりたいなあと思っています。先日、芹沢銈介を特集するテレビを見たとき「作為が無い」ということについて説明されていました。作品をつくる上で作為が無いことって、実はとても難しいように思うけれど(こういう形にしようという時点で作為だろうなと思うし)、なんとなくは理解ができた。

何というか、ぼくも切り絵を始めたころとは明らかに違う感覚が出て来ているのは確かです。それは、明確に言葉では説明ができないのだけど、いろいろな手仕事を見てきたことと、その作り手の考え方をいろいろと感じ取ることができたことの影響かもしれない。民藝らしさって何だろう。工芸って、イラストって何だろう。どうして絵というものは、さまざまにカテゴライズされるんだろう。ぼくの中には、今いろいろな感覚が渦巻いているのですが、そのときに素直にやりたいなと思う絵をつくってみようと思う。

この作品は、もみじ市に向けてつくった作品「秋の森」。木というのは、いろんな表現があるけれど、具象ではなく抽象に近い、木の形というよりも「カタチ」と呼べるような、素朴なる簡易な形にしたいと思いました。なんで?っていわれるとそうしたかったからとしか言えないのだけど、でも、なんだかキノコのような、テキスタイルパターンのような、愛嬌ある作品になったように思います。わざとらしくなく素朴、っていうのはとても難しい。それは、大人が、子どもの感覚で絵を描くことなんかに近いのかもしれません。

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