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作品218_チャランガぽよぽよ/CDアートワーク [作品]


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(C)YUYA 2014

CDのジャケットアートワークを担当させていただきました。脱力系ラテンバンドならぬ、ラテン系脱力バンド「チャランガぽよぽよ」の初のCDで、2月上旬のライヴから先行発売開始だそうです。以前から知り合いであったリーダーの坂上領さん(フルート)と、帆足彩さん(ヴァイオリン)からお願いがあり、制作することになりました。ぼくも実際に音源を聴かせていただき、そこから絵を考えていきました。今回、実はあまり制作時間がなかったのです。ぼくは実際、制作時間というより考えることにとても時間をかけるのです。これで行こうと決まれば、あとは結構すぐ出来てしまったりするのだけど、そこが納得いかないと時間がかかります。最終的に、どういう方法で色の調整まで絶対に間に合うように良いものにしようかというところから、制作方法を考えていきました。

結果、手描きで紙にたくさん線画のスケッチをして、それをスキャニングし、パソコン上で加工して手のラインをほぼそのまま残してデザインして行くという方法をとりました。パソコンで描いた絵とは明らかに違うことが重要です。手で紙に描いたラインというのは、固い絵にならない。そして、ぼくはそれが一番大事だと思っています。音楽も、人間が手で演奏するという意味で、たぶん温かみという意味ではまったく同じでしょう。

で、一番大事な話。今回考えた絵のテーマは、自分の中のフィルターを通したラテンカラーです。途中、リーダーの坂上領さんからは「脱力系ラテン」ではなく「ラテン系脱力」バンドなのだという説明もいただきました。実際に聴いてみると、音楽は品の良い親しみやすい、ラテン系のやわらかい雰囲気もある音楽。赤、黄色、茶色とかの土っぽいものというよりも・・・例えば、アレキサンダー・ジラルドがメキシコの民芸などに影響されて優れたモダンなデザインをたくさん生んだようなイメージが合うのではないかと思いました。それは、ラテンの人間ではない人がラテンのことを思ってつくるということなのかも知れない。言ってみればイメージの中での旅のようなものかも知れません。そんなことを思いながら、色合いも決めて行きました。

子どもでも楽しめる音楽を、ということも意識されたそうなので、親しみやすいというラインを大事にしつつ、色合いは今回の「自分の中のラテン」という部分にこだわりました。背景以外にあざやかな色を3色使っているので、アイコンは全部黒にして、全体の統一感を出しました。アイコンは、曲の中で出てくるモチーフが中心です。森のイメージというのもキーワードとして出ていたので、「いかにも木」という感じではなく、音の並びとリズム感を感じられるような音符のような木のようなモチーフに、アイコンを乗せることにしました。太陽はラテンのイメージとしてぜひ入れたいと思ったモチーフです。これはフロントのジャケット面なのですが、裏面が解禁になったら、また紹介いたします。

ぼくは音楽が大好きです。だから音楽のことを考えて絵をつくる仕事を一度やってみたいと思っていました。今回機会をいただいたバンドのリーダー、坂上領さんと帆足彩さんにもとても感謝しています。出会いに感謝。
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