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作品219_村永美和子 詩集「一文字笠〈1と0〉」装丁 [作品]


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少し前に完成した九州在住の村永美和子さんの詩集「一文字笠〈1と0〉」。藤富保男先生の「あざみ書房」から出た詩集です。藤富先生からお話をいただき、装丁をすることになったのでした。なかなか今までに無いものが出来たように思います。
この絵、ご本人とはお会いしないで作ったものなのですが、実は最初の希望とはまったく違うものです。最初は、以前ポストカードにもした絵をご覧いただいたようで、その中でこの絵を使っていただきたい、というご希望がありました。でも、ぼくの中では、その時にできた絵というのは過去のものです。今回の詩集にはそれに合う絵を新たに考えたいと思い、藤富先生にご相談しました。
そして、まったく新しい絵をつくることに。この詩集、1ページに3行ごとに区切られ、それが続いて行き、全体でひとつの詩となっている、という作品です。そこで、有機的な石ころのようなカタチを一文字に並べ、ときに一部が重なったり、離れたりして連なる「一文字」をモチーフにした絵をレイアウトしました。色はオレンジと黒だけにとどめて、帯はちょっとこだわって黒にさせてもらいました。結果、なかなかシックな風合いに仕上がって満足しています。先頭の顔が抜け出たものが、実は帯の下に隠れています。村永さんからもお手紙などいただき、気に入っていただけたようでぼくもホッとしています。
裏表紙の「M」のロゴ、これは村永美和子さんをモチーフにしたロゴで、藤富保男先生の作です。とても素敵で洒落たロゴですね。藤富先生からは今までにも何冊かの装丁のお話をいただきました。今回は藤富先生のお宅に何回かおじゃまし、校正などしながらのやりとりも楽しかったです。ご一緒できることに感謝し、また世界の詩人・藤富先生と何か作れたら素敵だなと思っています。

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