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東北民芸の旅その4_天童木工を見学 [民藝・手仕事・古道具]


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天童木工は民芸ではないかもしれないけれど、何か相通じるものを感じたので、少しだけでも写真など見ていただけたらと思い載せます。山形では家具メーカー「天童木工」を見学しに行きました。大きな工房の一部がショールームになっているという感じで、古いデザインのものなども展示されていて楽しい。工場部分も見学させてもらった(予約制で事前に申し込む)のだけど、その製作者の方々の真摯な仕事ぶりを拝見し、改めて人の手によって美しい家具が生まれていることを目の当たりにしました。工業製品でつくられるモノにも、この天童木工の場合には、間違いなく人の気持ちがこもっているのだと感じました。うまく言えないのだけど、その作業する方々の動き、真剣な表情を見ているだけでも、それが充分に伝わってきました。

天童木工のアンテナショップで、世田谷に以前あったお店、天童木工PLYで、ぼくは通算4回も個展をさせていただいた。だから、天童木工の家具には特別な思いがあり大好きです。PLYでの個展を通じて、たくさんの人と出会い、自分の絵が少しずつ広がって行くことを感じられた大事な空間でした。残念ながら世田谷のお店はなくなってしまいましたが、あの空間での個展で流れた時間は、今でもとても大事な思い出であり、感謝の気持ちでいっぱいです。だから、なおさら天童木工の工場が見られてよかったなあと心から思ったのです。

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これは天童木工の工場のオフィス部分に使われていた間仕切りの壁部分。
ポリカーボネイト?のような美しい蜂の巣状のつくり。

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東北民芸の旅その3_柳宗理の木地玩具を制作する工房「高亀」へ [民藝・手仕事・古道具]


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東北といえばこけしなのでしょうか。宮城県にある「鳴子温泉」にも一泊しました。こけしに囲まれた街、昭和の時間が残った雰囲気のひなびた感じが、なんとも気分出ます。民芸品をいろいろ持っているとはいえ、ぼくは特別こけしが好きで集めているということでは無いのですが。鳴子温泉には、こけしを工房で制作して売るお店がいくつもありましたが、1件、ふと入ってみてとても印象的だったお店が老舗「高亀」。実は、このお店を目指して行ったというわけでもなく、なにげなく入ったのですが、なにやら他のこけし店とは明らかに違った雰囲気がありました。

こけしだけではなく、壁には各地の郷土玩具のコレクションが飾られ、中央のショーケースには良い色に茶色くなった古いいろいろな木地玩具。見たことがある鳩笛や、モダンな形をした西洋風のこけしなど。そう、ここは、柳宗理の木地玩具すべてを専属で制作しているという、特別な工房でありお店なのでした。
制作過程でできたいろいろなプロトタイプの古びたものがあり、それを見るのもとても楽しい。どんなジャンルでも、制作過程にはやはり試行錯誤がたくさんあるもんですね。お店の奥さまが、いろいろとうれしそうに説明してくださって楽しかったです。柳デザインのものを制作していることを誇りに思っていますとおっしゃっていました。お店に見本として置かれているヴィンテージなプロトタイプの数々は売り物では無いのですが、「これは売っていないのですか?」と聞かずにいられませんでした。

柳宗理のモダンなフォルムを持ったプロダクトの数々は、時代に左右されないものだなあと感じますが、こうしたこけしの街の工房でつくられていたというのが何ともあたたかい気分にさせてくれます。あのモダンな鳩笛や亀、フクロウ、西洋風こけしなどが持つフォルムの感覚は、日本のこけしにも、確かに緩やかにつながっている。お店へ行ったときにちょうど、柳宗理デザインの鳩笛がひとつ完成したということで、ぼくは持っていなかったので買わせていただきました。思わぬ楽しい出会いがあり、うれしい時間でした。

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東北民芸の旅その2_小田中耕一さんを訪ねて [民藝・手仕事・古道具]


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ふすまに貼るためにデザインされたという幾何学文様の和紙。
動きのあるデザインと明るい色合いが軽やか。

今回東北へ行きたかった理由のひとつが、型染めで制作をされている小田中耕一さんにお会いすることです。さまざまな本の表紙や、お菓子のパッケージや、ハガキやカレンダー、たくさんの場で小田中さんの型染絵を拝見します。文字にも絵のような魅力があり、どれも魅力的なデザイン。小田中さんの作品には、ぼくはグラフィックデザインをとても感じます。お会いするのは緊張したのですが、実際とても優しい方で、お仕事もあったと思いますが、東京からおじゃましたぼくたちを歓迎してくださいました。東京での生活のこと、芹沢銈介の工房での修行時代のこと、民芸のこと、デザインアイデアのこと・・・いろいろなことを楽しそうにお話して下さいました。こうして作り手の方にお話を伺うのは、とても貴重なことです。自分の興味を広げるきっかけにもなりますね。そして、作り手の方により、それぞれ考え方と方法と表現が違う。考えれば当たり前のことですが、それが感じられるときがまた楽しいです。玄関に置かれていた作品を見せていただき、一枚風呂敷を買わせていただきました。それから、光原社で気に入っていた小田中さんの「のれん」を思い切ってやはり買って帰ろう!と二人で決心し、お店へ向かったのでした。

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これが、光原社(盛岡)で買ったのれん。
写真はお店に飾られているところ。

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今週土曜日は、一日カフェ開催! [お知らせ]

8月8日(土)は神楽坂+で、妻の「スパロウさんの一日カフェ」開催です。
どうぞお越しください。ぼくも会場でお手伝いします!

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◉スパロウさんの一日カフェ
日時:2015年8月8日(土)11:00から17:00まで
*ただし、売り切れ次第終了
会場:神楽坂+(カグラザカプリュス)
http://kagurazakaplus.ocnk.me/

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東北民芸の旅その1_盛岡と仙台の光原社へ [民藝・手仕事・古道具]


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光原社で買ってきた民芸品

帰ってからいろいろ忙しかったために少し遅くなりましたが7月に行った「東北民芸の旅」のレポートを書こうかと思います(全部書けないかもしれない)。
東北では、以前から気になっていた民芸店「光原社」。盛岡と仙台にお店があります。とても素晴らしいお店を堪能しました。民芸店といわれるお店は全国各地にいろいろありますが、まずこのお店が違うなあと思ったのは、配置やレイアウトなど計算されてるのでしょうか、全体にとても美しい空間、魅力的に映る民芸品の数々。

まずは、盛岡の光原社(本店)へ行きました。世界の民芸品まで含めてとても幅広い品揃えで楽しいお店。それぞれエリアが分かれていて、1階が日本の民芸品、2階が海外を含めた民芸品、別館の世界の民芸品、宮沢賢治に捧げるという柚木沙弥郎さんによる絵画が飾られたマヂエル館。敷地全体がとても広く、まるで民藝館のようです。一方、仙台の光原社は町中にありコンパクトですが、品揃えもまた少し違って魅力的。盛岡とは違うものもいろいろと見られたように思います。郷土玩具などもレアなものが多かったような・・・

上の写真は光原社で買ってきたおみやげです。左の木彫り人形は仙台のお店で。これはペルーのワンカイヨという場所の民芸品で、芹沢銈介の解説により「世界の民芸(朝日新聞社刊)」にも紹介されています。今も作られているのですね。最近はあまり見かけないのと、気に入ったのでおみやげにしました。のみで素朴な風合いに削って作られた人間や動物があり、模様などがまた素朴な風合いに描かれていてなんともあたたかい空気感。
右のメリーゴーランドのようなCrayで作られた玩具はメキシコのもので盛岡のお店で購入。メキシコの民芸品はとても好きですが、今はなかなか手に入らない。もしあっても、70年代頃の程よい風合いとはどれも変わってしまっていて、見かけても、だいたい欲しいものは残念ながらありません。でも、このメリーゴーランド(?)は昔の造形に近くて、素朴な風合いが気に入りました。色合いも明るく、動物の表情なども、なんとも愛らしい。日本を旅しているのに、どうして世界の民芸品がわが家には集まってくるのでしょうか?

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盛岡店の中庭にある「マヂエル館」の壁の飾り廊下のようなスペース。外の空間もとても雰囲気があり、全体が魅力的なお店です。盛岡店の様子を引き続き。

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8月8日「スパロウさんの一日カフェ」開催! [お知らせ]


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神楽坂+(カグラザカプリュス)では、8月15日までポップアップストア「ちょっきんきりえの棚」開催中ですが、その会期中、8月8日(土)には妻による「スパロウさんの一日カフェ」が開催です。メニューは天然酵母入りスコーン、シフォンケーキ、ダックワーズなど国産小麦の素朴な手づくりお菓子と、夏のフルーツシロップジュースです。当日はぼくも会場でお手伝いするので、ぜひお越しください!

◉スパロウさんの一日カフェ
日時:2015年8月8日(土)11:00から17:00まで
*ただし、売り切れ次第終了
会場:神楽坂+(カグラザカプリュス)
http://kagurazakaplus.ocnk.me/

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