作品_居心地のよい場所 [作品]
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々 より、旅立った作品。これは、今回の個展のための作品としては、わりと作り始めた時期の作品だったように思う。海藻のような文様は、頭のどこかにオーレ・エクセルのテキスタイルの文様があったのかもしれない。ぼくの中で、民芸とモダンデザインは普遍的という意味では大きくつながっていて、仲間のようにも感じる。
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◉居心地のよい場所
わが家のリビングの壁に自作した棚には、世界の民芸品がいろいろ飾ってある。南米や北欧の動物や鳥の置物、日本の民窯の器や鳥の形をした注連飾り、ネパールのお面、そして日本各地の郷土玩具。作られた国も素材もさまざまな民芸品を組み合わせて飾ったときに出来る楽しい空間を、ぼくはとても気に入っている。毎日その景色を眺めながら、民芸品についてあれこれ妻と話していると、あっという間に夜は更けて行く。
作品_動物の顔 [作品]
個展「民芸品と暮らす日々」で旅立って行った作品を少しずつご紹介していきます。個展で展示したキャプションの文章とともにお楽しみください。文章はエッセイのような感覚のものもあり、解説というよりは空気感として楽しんでいただけましたらうれしいです。
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◉動物の顔
世界の民芸品のオブジェクトや布のモチーフの動物たちは、どこか間が抜けたような素朴で愛らしい表情を持っているものが多い。眺めいるとなんとも言えない楽しい気分になる。素朴な気持ちでつくられた素直な顔をした動物たち。媚びていない、作為の無い本当の愛らしさがそこにあるように思う。そんな民芸品をいろいろ見ながらともに暮らすことは楽しい。そして、自分もそういう素直な作品がつくれたら良いなと思っている。
鳥目の夜に [コラム]
新しい大事な絵の仕事も始まるし、また雑誌の取材もある。いよいよ自分のウェブサイトも作りたい。新しいグッズも作りたい。関西での個展はできるかな。その作品の補充も必要・・・やることはたくさんあって、考えなければいけないこともたくさんある。がんばらねば。
インスタグラムでは先日の個展で出展した作品(旅立ったもの)を発表しています。よかったらご覧ください。
http://websta.me/n/yuya_chokkin_kirie
次へ向かって [コラム]
個展が終わって、やっと部屋も少し片付け、作業できるようにした。このあと、自分のある目標に向かって、やることが山盛り。プラス、依頼の仕事などもあるから相当忙しくなるはず。とはいえ、楽しく乗り切りたいという決意でいる。今回、渋谷で開催できた個展は、自分にとって間違いなく何かの転機になると思っている。この個展に至るまでの3年間で、いろいろな新しい人々と出会えたこと、本当に好きな物と出会えたこと、そしてその影響による今回の作品もそうだし、その中で制作していく中での自分の精神的な変化もそうだと思う。ここで、はっきりと方向を決めたいと思う。そのための個展だったようにも思っている。それが決まりつつあることは、今回の個展の大きな収穫だったように思う。
個展無事開催しました! [コラム]
昨日が初日でした。無事に個展がスタートしました。
たくさんの方々にいらしていただき、心から感謝です。
あと2日、今日・明日もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさまのご来場お待ちしております!
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
絵と文:YUYA(切り絵作家/イラストレーター)
音楽選曲:吉本 宏(音楽文筆家/bar buenos aires)
会期:2015年5月22日(金)23日(土)24日(日)
時間:11時から19時まで
*3日間ともぼくは在廊します!
会場:haus&terrasse ハオス&テラス3階「テラス」にて
渋谷区渋谷1-20-3(渋谷駅9分、表参道駅10分、明治神宮前7分)
会場ハオス&テラスのサイトはこちら
本日5月22日より、ちょっきんきりえ展vol.7スタート! [お知らせ]
本日5月22日(金)11時より、3年ぶりの3日間の個展スタートです。
ハオス&テラスの3階でぼくの展示、
2階では神戸で人気Atelier d'antan(アトリエ・ダンタン)の展示会です。
どちらもお楽しみください。みなさまのご来場お待ちしております。
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
絵と文:YUYA(切り絵作家/イラストレーター)
音楽選曲:吉本 宏(音楽文筆家/bar buenos aires)
会期:2015年5月22日(金)23日(土)24日(日)
時間:11時から19時まで
*3日間ともぼくは在廊します!
会場:haus&terrasse ハオス&テラス3階「テラス」にて
渋谷区渋谷1-20-3(渋谷駅9分、表参道駅10分、明治神宮前7分)
会場ハオス&テラスのサイトはこちら
今週末はいよいよ個展 [コラム]
なんだか3年ぶりともなると、久しぶりすぎて感覚が追いつきませんが、がんばって個展の準備を日々進めています。ああ、つかれ・・・いや、そんなことない。最後まで終わらすことが大事。
それはそうと、親戚の人々に会った時、「今回の個展は民芸品が置いてあるの?」なんてことを言っている人が何人かいらしたので、説明をしておくことにします。今回の個展は、もちろんいつものとおり「ちょっきんきりえ展」、切り絵作品の展示会です。
・・・・日々、民芸品を見たり接したりしている中で覚えた感動したことや、民芸品から影響して生まれたアイデアを絵にした、という作品が中心です。前回の「映画の影響」や「旅の影響」と考え方は同じ。今回はタイトルを「民芸品の影響」としなかったのですが。だから、民芸品を忠実になぞるように描写したわけではまったくないし、もっと自由です。民芸品を見て生まれた別の作品と言っても良いでしょう。あとは、実際に原画を見ていただきたいなあという気持ちが大きいです。いくらPCやインスタで画像を見ていただいても、やはり原画を見ていただくと、画像で見るよりもその良さがもっと伝わるのではないかと思います。
そして、今回はグッズの販売も結構がんばります。手ぬぐいをこの個展のために新たにつくりました。4色あり。それから、A4サイズのポスターを初めてつくってみました。2種類あり、額に入れても飾れて、そのままテープで壁に貼っても良い。それからそれから、いつものポストカードも新作を4種つくりました。今迄のポストカードもたくさん販売します。ポストカードは全部で4種類のセットあり。それから、マッチ箱の在庫も販売します。全部切り絵の原画付き。それから、一筆箋の在庫も販売します。こちらは、あまりもう無いものもありますが、4種類あり。
昨日迄はいろいろキャプションの文章を書いたり書類をつくったり。個展をやるというのは、本当にいろいろな雑用がたわわに生まれます。生まれないでください。やめてください。おっと。キャプションは、全部で30個くらいありましたが、それぞれ200字くらいで書きました。書きたいことは生まれてくる。200字って結構短くて、何かひとつの空気を出すのにギリギリ間に合う感じ。その具合が楽しくて、すぐに30個書いてしまいました。実は、絵を書くのと同じくらい(それは言い過ぎか?)文章を書くことも好きです。だから、今回の個展のDMでは、「絵と文:YUYA」なんてわざわざ書いてみました。わざわざそうしましたから。
そんなふうに準備している個展も、もう今週の金曜日には始まるというから、自分でも今、驚きの表情をしてみています。終わらせることは大事。終わらせることが大事。夜が来て朝がくるから。ぜひ、個展にいらしてください。楽しみにお待ちしております!
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
絵と文:YUYA(切り絵作家/イラストレーター)
音楽選曲:吉本 宏(音楽文筆家/bar buenos aires)
会期:2015年5月22日(金)23日(土)24日(日)
時間:11時から19時まで
*3日間ともぼくは在廊します!
会場:haus&terrasse ハオス&テラス3階「テラス」にて
渋谷区渋谷1-20-3(渋谷駅9分、表参道駅10分、明治神宮前7分)
会場ハオス&テラスのサイトはこちら
ポストカードもすべて完成! [作品]
いよいよ個展は来週に迫りました。間に合う。間に合う。そう思いながら、準備をしなければいけない。今回のポストカードは、いろんな意味で自分が民芸を見ている中で自然と醸し出した空気がある作品を選んでデザインしたつもりです。
民芸などと言ってもぼくはこれが好きだ!というものを選び出して見ているだけで、全然詳しいわけではないのでウンチクはまったく言えないですが、でも自分なりのこれが美しいのではないかという素直な目でいろいろなものを見ているつもりです。そこには自分なりの判断がいつも伴う。その判断は正しいかどうかもわからないものだし、かといって間違ってもいないものなのだと思う。なぜなら、自分にとっての価値観だから。ぼくにとって、民芸というものは、思想がどうとかとは関係なく、そういう存在かもしれない。
いろいろなものを見ていると、しばしば自分の作品での判断にも影響するように感じている。民芸的だからこれが正しいとかではなく、民芸品を見たときに「これは自分にとって素晴らしい空気感だなあ」という素直な感動であり、冷静な視点での判断でもある。そんな何とも言えない気分を味わったときの記憶なのかもしれない。民芸品をはじめとしていろいろな美しく素朴なモノを見て何かを判断することは、いろいろな意味で自分に刺激をもらえる。知識とか人の名前とかではなく、いろいろなモノを素直に見て行きたい。今回の個展では、そんな気持ちで作った作品があるかもしれません。
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
2015.5/22日(金)23(土)24(日)
渋谷ハオス&テラスにて11:00から19:00
3日間とも在廊します!
DMの制作のこと [作品]
個展の前には、DMはがきを作って配布したり、今までいらしてくださった方々へ送付したりします。今回も、いろいろな方々にご協力いただき、たくさんのお店に置いていただいています。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
うれしいことに、日本民藝館に置いていただいた200枚は全部無くなったとのことです。あと他のお店の方からも、すぐ無くなりましたというお知らせをいただいたり、ありがたいことです。
DMのはがきは、あっ、と思って手にとっていただき、その上で「この個展行ってみようかな」と思っていただくためのもの。なのでデザインはとても大事です。載せる作品の絵も大事ですが、それ以上に、デザインが大事。作品が良いだけではダメで、それをどう見せるかということがそれ以上に大事だなと常々感じています。
会場の音楽選曲をしてくださる吉本宏さん(bar buenos aires)も、そもそもぼくの最初の個展のDMを手にとって興味を持ってくださったことが出会ったきっかけです。その当時は、ぼくもまだデザイン会社(最初に個展をさせていただいた会場の会社)にデザインを頼んで作っていただいていました。何回か個展をしていくなか、自分ですべてをやれた方が良いし、自分の作品を使って自分でデザインをすることはやはり一番良いものができるんじゃないかと思い、今はすべてを自分でデザインし、印刷所に完全入稿して印刷しています。
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
2015.5/22日(金)23(土)24(日)
渋谷ハオス&テラスにて11:00から19:00
3日間とも在廊します!
個展で販売する手ぬぐいが完成 [作品]
帯も自分でデザインしました
5月22日(金)から24日(日)の個展「ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々」に向けてグッズも同時進行で進めています。オリジナルの手ぬぐいが完成しました。前回の3年前の個展では、手ぬぐいなんてまったく思いつきませんでしたが、昨年「もみじ市」に出ることになったときに、グッズについてもあれこれ考える機会がありました。今となってはありがたかった時間です。もみじ市で販売した鳥のデザインによる手ぬぐいは、ありがたいことに100枚全部完売しましたので、今回新しいものを考え、デザインして作りました(あれをまた出してください、という声も結構あったのですが、どうしても新しいものを作りたくなってしまうのが作り手)。
デザインは「民芸品と暮らす日々」の個展タイトルをイメージした絵を使っています。動物、鳥、太陽、サボテン。メキシコなどを含めた世界の民芸品をいろいろ見ている日々で、自然と生まれた作品です。今回はもみじ市のときと違い、単色で仕上げてあります。「かまわぬ」さんなどの手ぬぐいを見ていると、勉強になりますが、でも大体が、パソコンでデザインした感じのイラスト。ぼくは全部手で描いた線をそのまま使って加工して仕上げているので、あたたかい感じに仕上がっていると思っています。全部で4色。ブルーグレー、濃いピンク、コーヒー牛乳のようなベージュ、青を混ぜた緑。各色50枚ずつの販売となります。どこにも売っていないオリジナルでほんとうの限定品です。とりあえず、今回の個展で最初に販売しますのでお楽しみにどうぞ!
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
2015.5/22日(金)23(土)24(日)
渋谷ハオス&テラスにて11:00から19:00
3日間とも在廊します!
個展に向けて/作品以外の準備 [コラム]
個展の準備は大変です。作品をつくれば良いわけではまったくない。作品以外のさまざまな準備が全体の3分の1は占めるように思います。ご案内DMの制作とその発送、作品を使ったグッズ制作とパッケージ、設営方法とレイアウト検討、額の準備、すべての作品のスキャニング、キャプションの制作、その文章書き・・・
今、設営方法を考えつつ、そのための材料など買って来たところです。今年は早めに全部準備して、最後まで作品をつくりたいと思っています。3年前の前回よりもグッズの種類も少し増え、一筆箋、原画マッチ箱などの手持ちの在庫や、新たにつくっている手ぬぐいも今回販売したいと思っています。できればポストカードも新しいのをこれからつくります。時間がないけれどがんばります!写真は、先日静岡で山内武志さんの染色工房でのワークショップに参加してできた型染め布。今回の個展の気分をあらわしています。
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
2015.5/22日(金)23(土)24(日)
渋谷ハオス&テラスにて11:00から19:00
3日間とも在廊
個展まで1か月/最近の感覚について [作品]
今回開催予定の個展は、民芸品とその影響がテーマ。世界の民芸品を観るようになって、その佇まいと湧き出る楽しい空気感をもらっています。日々を楽しませてくれるのと同時に、自分の作品のアイデアにも大きく影響しているように感じます。郷土玩具や民芸品をそのまま描くという人もいるかも知れませんが、ぼくにとっては民芸品は「発想の素」となっています。
「素直につくる」ってどういうことだろう。民芸品はそのヒントをくれるように思います。押し付けがましいところが無くて、でも時にその素直さゆえに、ストレートな衝撃を与えてくれます。それは驚かせようとか、作品性を考えた作為ではないように感じる。ただ素直な形が作られているという事実なんだと感じることが多い。確かに「大人」がつくっているものだけど、子どもが描いた絵のような素直さと拙さが大きな魅力になっていたりする。それも「こう見せるためにそうした」という感じではなく、常に素直で素朴な感覚を持った心地良い世界。
ぼくは民芸品の持つ素朴で素直な空気感に憧れがあり、そんな存在の作品が作りたいと思いますが、一方ではモダンデザインも大好きです。建築時代がありましたが、その頃いろいろと見ていたインテリアや家具、そして、そもそも自分が絵を始めたキッカケも、古い広告のグラフィックデザインがとても好きでよく眺めていて、自分も何かできるんじゃないかと思ったことでした。そのモダンデザインの感じと、民芸品の持つ素直さ、その両方の感覚が自然に合わせた作品になってきているのが今回の個展なのかなあと感じています。
いろいろな感覚を吸収して、自分のフィルターを通して改めてそれを作品として自分の形で表現する。そこに、自分が作品をつくる大きな意味があるように思います。何かに影響を受けて何かができることは、とても楽しいことですね。あと、作品をつくりながら常に感じているいるのは「普遍的でありたい」ということでしょうか。ぼくが大好きになる民芸品には、常にそれがあるように思う。
写真は、少し前に雑誌「&プレミアム」のために考えたイラストの一部であるパターンデザイン。これもミッドセンチュリーの感じと、南米の民芸品が持つ色の感覚などが混ざり合ってできた自分なりのカタチです。さて準備がんばります。
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々 [お知らせ]
東京で3年ぶりとなる個展のお知らせです。
たった3日間の会期ですがぜひお越しください。
お会いできること楽しみにしております!
ちょっきんきりえ展vol.7 民芸品と暮らす日々
絵と文:YUYA(切り絵作家/イラストレーター)
音楽選曲:吉本 宏(音楽文筆家/bar buenos aires)
会期:2015年5月22日(金)23日(土)24日(日)
時間:11時から19時まで
*3日間ともぼくは在廊します!
会場:haus&terrasse ハオス&テラス3階「テラス」にて
渋谷区渋谷1-20-3(渋谷駅9分、表参道駅10分、明治神宮前7分)
会場ハオス&テラスのサイトはこちら
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日々ともに暮らす民芸品。
その素朴さと素直な愛らしさは生活に楽しい空気を運んできてくれると同時に、
ぼくの作品にも大きな影響を与えます。
一方、建築を学んでいた頃からの憧れであるモダンデザイン。
自分の中で隣り合うように同居するこの2つの感覚を
自由に行き来しながら、新しい作品が生まれました。
3年ぶりとなる東京での「ちょっきんきりえ展」。
渋谷の静かなエリアにあるハオス&テラスの明るく心地良い空間で、
友人・吉本 宏さんの音楽選曲とともに楽しい空気を
持ち帰っていただけたらうれしいです。
YUYA(切り絵作家/イラストレーター)
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インスタグラムでは展示に向けての制作や告知をしています!
yuya_chokkin_kirie
次回の個展に向けて [コラム]
最近ブログが二の次になっていますが、いろいろと時間が足りず、ブログを書く暇がないためです。もしよろしければインスタグラムをご覧ください。手軽なのでほぼ毎日更新しています。フォロー歓迎です。リンクはこちら。
yuya_chokkin_kirie
さて、ここのところ、毎日、個展の準備をしています。今日は案内DMハガキのデザインがまとまったところ。今迄とはまた少し雰囲気が違っているようにも感じられる、なかなか楽しいものだと思います。ぼくの作品は紙で作った原画なので、スキャニングにより変化してしまう色を、DTP対応するためにいい具合に調整することにはいつもとても苦労します。今回もようやく出力センターなどに通って、これで良いかなという感じになりました。
今度の個展では、前回のブログ記事(素朴な感覚とモダンデザイン)で書いた内容が、ひとつのキーワードになっているように思います。数年前から、民藝の世界が好きになり、そこから一気に世界が広がって、今まで好きだったモダンデザインとひとつにすんなりと自分の中でつながった感じがあります。それは、言ってみれば自分に足りなかった感覚かもしれないなと思っています。「民藝」というふうに語られる思想がどうとかではなく、モノが持つ感覚を素直に受け止めたいと思いながら、ぼくはいろいろなモノを見ています。それは本当に自分の直感のようなもの。民藝だから好きとか、そういうことでも無い。
そんな風に思っている日々のことが、絵に、線に現れているのかもしれないなあと思いながら、作品をつくっている毎日です。寝不足気味でもう寝ないとダメだ、という日もたまにありますが、今回は割と充実した制作ができているようにも感じます。あとは、昨年「もみじ市」でいろいろとトライしたことからのヒントで、今までの個展とは少し違った販売物を出来る範囲で作りたいなと思っています。もうすぐ発表できると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!
素朴な感覚とモダンデザイン [コラム]
今、個展に向けた作品を日々作っています。個展は5月を予定しています。なので今ががんばるときです。作品を作っていていろいろ感じることがあります。思い通りに作れるかということについては、まだまだだなあと感じる。今回のテーマから、素朴であるということを常に考えていますが、ぼくは同時にモダンな感覚も大事にしたいと思っています。そう、両方が同時にあるような作品が理想。ぼくは世界の民芸のような素朴な感覚が大好きでありながら、モダンデザインもとても好きです。両者は隣り合わせにあるものだとも思っています。それは、建築時代のデザイン感覚(自分がデザインする、ということだけでなく見ることも含めて)と、絵を描くようになってから考えているモダンということ、民芸を見たときに感じる大らかで素朴な感覚という、そのすべてが切り離せないように自分の中で隣り合っているのです。素朴とモダンを行き来しながら考えている、今回の作品はどうなるかな。時間がどうしても足りないけれど、個展をまとめあげられるように日々がんばりたい。まだまだ努力が足りないなと思う日々。人に見せる作品をつくるというのは、改めて大変なのだと思う。
イヌイットアートの石彫りの鳥 [民藝・手仕事・古道具]
先日、古道具市で買ったのはイヌイットアートの鳥。石の彫刻です。以前からこのエスキモーによるイヌイットアートにはとても興味があり、いつか欲しいと思っていました。イヌイットの石彫りには、人や動物やアザラシなどのいろいろな種類があるようですが、どれも独特の雰囲気を持っていて、世界の民芸品の中でも異彩を放っていると思っていました。この鳥はあまり見かけたことがない雰囲気で、ぼくらは二人でとても気に入ってしまいました。ようこそです。
チューインガム「ストライド」キャンペーン商品「サルマタ」のデザイン [作品]
猿(サル、と呼ばれてるらしい)が登場するガム「ストライド」。この商品のキャンペーンが始まっています。スマートフォンで応募して、「サルマタ」が当たるというもの。
実は、19人の作家による、このサルマタのデザインに参加しました。いや、サルマタのデザインというより、サルマタに使うテキスタイルのデザイン。依頼をいただいたとき、鳥でデザインを、というリクエストが最初からあり、このデザインになりました。途中、別案も出したりしたのですが、最終的にやはりこの鳥に決まったということです。
このCM動画(残念ながら、TVでは放映されないらしいですが)にも出てきますが、ぼくのデザイン、途中で女性が座ってポーズを取っている場面で履かれていて、結構長い間映っていますね。いろんな仕事があるもんです。ぼくも実はこのガムは食べたことがないですが、もしご興味あるかたは、ガム食べてサルマタプレゼント、応募してみてください!このキャンペーンは、6月までやっているそうです。
香川・徳島へ行ってきました [コラム]
香川と徳島へ旅行してきました。香川へ行こうと思ったのは、以前から猪熊弦一郎美術館に行きたかったから。それから徳島は、阿波踊り以外にはまったくもってどういう雰囲気の場所かわからないまま実は行ったのですが、東雲(しののめ)の東尾さんにもお会いしたかったのでした。東雲というお店は民藝なども扱うお店で、いつからかインスタやフェイスブックでも東尾さんとやりとりさせていただいていたので、一度お会いしたいと思っていました。徳島では東尾さん夫婦のおかげでとても楽しい旅のしめくくりとなり感謝しています。見たものなどもいくつか載せたいと思いますが、いま作品を作る日々に入っているので気長にどうぞ!です。徳島ってうず潮で有名なんでしたね。うずうずとかいうパンプレットをいつのまにか持って帰ってしまっており、うずまきのパワーにやられたようです。写真は、確か、香川の「うどんの山下」というお店の前で撮った満開の白いモクレンです。
アフガニスタンの鉢(ボウル) [民藝・手仕事・古道具]
少し前のことですが、青山の西洋民芸の店グランピエで、アフガニスタンの古鉢の展示を見てきました。どれも素朴な風合いが良く、見ていると何とも旅をしているような楽しい気分になる陶器でした。グランピエでは、壁に掛けられて展示されていて、いろいろな文様のものが並んでいるのは圧巻です。アフガニスタンという国の生活風景は(ニュースで見る以外は)なかなか想像ができないけれど、こういうあたたかい風合いのものを作る人々は素朴であたたかい人々なんだろうなあと思います。1枚は古いもの、もう1枚は最近作られた鳥の絵のものの2枚を購入しました。
購入した2枚。上は新しい最近のもの。下は70年代頃?の古いもの。
どの柄も魅力的です。
鳥の絵のDe Simone製ピッチャー [民藝・手仕事・古道具]
わが家の民芸品から。イタリアのDe Simoneというメーカーの古いピッチャー。このメーカーは今もいろいろな陶器を出しているようです(サイトはこちら)。でも今はもうこういう素朴な風合いのものはなかなか無いようです。これは高さ12センチ、直径も12センチほどで結構大きいサイズ。珍しくベースカラーが黒のツヤ消し。鳥の絵も強い色が使われていますが、全体として落ち着いた風合いがあって気に入っています。ぼくはピカソの陶芸が好きですが、このピッチャーにもそれに通じる空気があり楽しい。こうしたヨーロッパの陶器はメキシコなど南米のものとも、北欧のものともまた違う魅力があり興味深いです。
今日は作品をつくっています。朝から初めて今1枚が完成したところ。なんだか集中するととても疲れますが、第二ラウンドに行こうかと思っています。今日の夜までにできるかな。今回の作品たちは、民芸品に影響を受けているものが多い。
やわらかい春の色 [コラム]
毎日作品のことを頭の片隅に考えています。今回のつくり方は1日で1枚必ず(なるべく?)完成させて終わらせること。そう、1日置いてしまうともっとこうした方が良いとか、気が変わってしまったり迷ったりすることがある。それが良いのか悪いのかもわからないのだけど、勢いで仕上げる感じが今回は良いような気がしているから、そうする。いまのところその掟で日々完成することができている。毎日やっていくと、「ああ、のってきた」という状態になってくる。そうすると良いのがリズミカルに出来る気がする。しばらく純粋な作品を作っていなくて久しぶりにつくる時は、感覚をつかめなくて時間がかかり、結局気に入らないものができたりする。それはカンベン。どうも!個展のタイトル、どうしようかな。写真は今部屋にあるチューリッパです。赤白黄色が良いとおもっていたけれど、透明感のある淡いピンクというのも春らしくて良い。
春に向けて [コラム]
春の個展に向けて、日々できる範囲でがんばっています。時間が無い日もあるから、毎日毎日できるわけでもない。キリっと「2時間くらい集中してつくる」ことがとても大事だなと感じます。今回のテーマは、なんとなくもう決まっています。一度考えたものを少しまた変えようかと思ってもいます。いずれにしても、作品は日々の暮らしの中から生まれるもの。今だからこそできる、今だけの作品をつくりたい。そして、力が抜けたものや、がんばりすぎていない自然体のものも作れたらいいなと思う。
作品制作中。 [コラム]
最近ほぼ毎日、個展に向けた作品を製作しています。とはいえ、もちろん調子の良くない日もある。何度やり直してもなんだかしっくり来ない、うまくまとまらない日。そうかと思えば、サクサクできてしまう調子の良い日。不思議なもので日によって違う。依頼された絵やデザインの仕事はそんなこともなく、集中できるかどうかによる気がしていてこれも不思議なことだ。個展の作品は自分の中の自由なものをカタチにするので、より調子の善し悪しが出るのかもしれない。なんだか変だな。
&プレミアム「インテリア、どうしよう?」扉の絵 [作品]
現在発売中、この「&Premium(アンドプレミアム)」4月号の特集扉ページの見開きイラスト仕事の依頼がきて、時間も無かったので短い時間で集中してウーンと考えて「こうしよう!」と思ってから、編集者の方にお伝えしたぼくの絵のイメージは、こんな感じでした。
『いろいろなタイプの人の部屋やモノが紙面に登場すると思ったので、あまり特定の誰かのデザイナーなどのモノを連想させるモチーフを描かず、右ページの幾何学模様や、左ページの植物や動物の一般的なカタチをしたオブジェ風シルエット(全部架空)によって、今回の特集の全体の明るいインテリアのイメージを伝えたいと思いました』
左ページには部屋に置かれるもモノをイメージした具象のモチーフを。HOMEという文字もラインを手描きした文字を使って、柔らかい表現にしてます。
パキッと分けて、右ページはパターンデザイン。2ページ合わせて、部屋の空気感を表現しようと思いました。大好きなアレキサンダー・ジラルドのテキスタイルデザインをイメージしたモダンな幾何学パターン(のつもり)。挿し色としてピンクを使おうと思っていたら、春のような表紙の淡いピンクと偶然にマッチング。この扉ページも春らしい柔らかい色彩になりました。
また、使われる紙が真っ白のものだと思われたのでバックに薄い黄色を敷いたのですが、その薄い黄色を全体に乗算して、グレーやピンクなども含めて全体のトーンに統一感が出ていい感じになりました。ちなみに、これは切り絵ではありません。全部手描きしたものをデータ化してマックでデザインしています。
それから、「インテリア、どうしよう?」なので(Oの字の中で)どうしよう?という顔した人+どうしよう?と相談している鳥と魚のモビールを組み込んでいます。
2月20日に発売されてから、インスタグラムでもこのイラスト(P28・29)のこと、民芸品の取材ページ(P58-61)の両方で反響がありうれしいです。ご覧いただいた方々どうもありがとうございます!実はこの号で取材されている方々、お会いしたことがある方も多くてなんだかうれしいです。どの方の部屋もとてもカッコ良くて、なんだかウチだけ素朴系だなあと思っています。素朴担当?でも、ぼくたちはそれが好きでそうなっているから、それでよし。と思います。
布博 at 町田パリオ へ行ってみる [美術・デザイン探訪]
自分のハンカチが初めて出展していただけるということで、東京町田で開催されている手紙社主催「布博」へ行ってみた。今日が最終日。思った通り、会場はすごい人の数、ほとんど女性。ぼくは妻と一緒に行ったので良かったですが、男性一人ではちょっと入れないですね(笑)。いろいろと作る側の目線で見ていたのですが、アイテムのアイデア、それからグラフィック的な意味でも、勉強になりました。やはり女性は布というものが好きなのだなあということ、布は絵がやわらかい表現に見えることなど、いろいろと発見もあり行ってみてよかったと思っています。また、ひとつやりたい技法が生まれました。もしかすると、型染めよりも自分の表現には合っているかもしれないという技法。やってみなければ。自分がデザインしたこのハンカチ、買ってくれている方がいてうれしかったです。
マガジンハウスの雑誌「&プレミアム」にイラスト+取材同時掲載 [作品]
マガジンハウスの雑誌「&Premium」=アンドプレミアムに掲載のお知らせです。今日2月20日発売。今回はインテリア特集「インテリア、どうしよう?」で、特集スタートとなる「扉ページ」に見開きでイラストを担当させていただきました。以前、イラストの仕事でご一緒したこともあった編集部の柴田さんからお話をいただき、ぼくで良いのか??と思いながら、でも楽しい制作でした。
そして、もうひとつ、今回の号には、わが家の部屋の取材も載っているのです。いや、部屋というよりも民芸品が置かれている「棚」の取材。ぼくたちが好きな「世界の民芸品」がこういう雑誌に載るのがなんだか意外な感じもするのですが、でも取り上げていただき新鮮な気持です。自分としては、その辺りの民芸品に向き合う気分や空気感も表紙のイラストに精神的な部分で込めたつもりです。2月20日発売です。もし見かけたらぜひ中身をご覧ください!
扉ページの作品の解説はまた追って載せます。
手紙社さんとの魚パターンのハンカチ [作品]
明日から手紙社主催の「布博」というイベントが、東京の町田であります。ぼくがデザインしたハンカチが出ることになりました。青×黄色の明るいトーンの魚のパターンデザインです。最近、少し「布」というものに接する機会があって、興味はとてもあります。型染めもやりたいとは思いつつ、その前に東京で個展もあるしなあ、切り絵もしなければなあ、となっておりますよ。
今回のこの魚のパターン、ランダムに並んでいるように見えるかもしれませんが、一応法則でくり返しているパターンです。でも、少し前にやったので、もうどうやったか、すぐには思い出せません。なんだか、いつもそうなんだよね。そのときはものすごく集中してやっているのに、終わってしばらく経って見返すと「こんなの作ってた!」ということも多く。なんだか夢の中で作ったような、そんな不思議な感覚です。まあいいか。
2月20日(金)から22日(日)まで開催の「布博」。ご興味のある方はぜひ行ってみてください。ぼくのこのハンカチは「手紙舎手芸店trois」というブースにて販売されるそうです。見かけたらご覧いただければうれしいです!
THE MAGIC OF A PEOPLE/Alexander Girard [本と古本]
Alexander Girard(アレキサンダー・ジラルド)の蒐集物が載った写真集「マジック・オブ・ア・ピープル」。以前からずっと見たいと思っていた本です。売っていても中々値段も高くて手が出ませんでしたが、安く見つけてやっと買いました。ジラルドが集めたメキシコを中心とした民芸品が写真で紹介されています。撮影はチャールズ&レイ・イームズ夫妻。撮影の視点が短編映画「パレード」のように入り込んで撮っている感もあったり、民芸品に対する気持ちがうかがえます。載っている民芸品は、大胆かつ繊細。見ていてパワーをもらえてとても楽しい。メキシコなどの民芸品の本もいくつか気に入っているものがありますが、やっと実際に中身を見ることができて、やはりこれは好きだなあ!と思いました。あと、利根山光人の「メキシコの民芸」は網羅されていて何といっても素晴らしい。
ジラルドがデザインしたモノの数々を取り上げた本も2冊持っています。そのデザインはとても美しくモダンでありながら、同時にラテンの民芸の影響も受けている。いや、好きな民芸の感覚を、フィルターを通してデザインし直したという感じなのかもしれません。そこのさじ加減の具合がぼくはとても好きです。洗練されていてとてもモダンでありながら、民芸品のあたたかさも持っている。それはとても重要な視点だと思うから。
それはそうと、最近、次回の個展の内容を考えていました。なんとなく見えて来た感じがします。まだ作品はこれからなので、時間もなくかなり大変ですが、テーマが決まって来ただけ前進です。最近、そういうところが決まってから、ダッシュでつくっていく感があるような・・・楽しいのにしたいなと思います。
メキシコの奇妙な鳥 [民藝・手仕事・古道具]
これもグランピエで買ったメキシコの白い鳥。背の高さ8センチくらいの小さなものです。メキシコにはこうした動物や人の陶器のオブジェクトがいろいろあります。でも、ぼくが好きなのは大体1970年代頃のもののようです。何でそうなるのかというと、絵付けも色合いも今のものはドギツイものが多く、素朴な感覚が台無しになっているものが多い。今作られているものを見ると、そもそも素朴なものだったからこそ、良いものだったはずなのに変わってしまったなと思うことが多い。この白い鳥は今のものですが、程よい感じに素朴さも残っていて値段も手頃で気に入ったので買いました。とても鳥には見えない、架空の鳥なんだと言っているような奇妙さもまた良いなあと思うのです。今までに集めたメキシコの陶器の動物たちと並べると、なんだか脚のつくりが似ている。