Carlos Moscardini/Manos カヴァーアート提供 [お知らせ]
アルゼンチンのギタリスト、カルロス・モスカルディーニ。日本盤初となるヒストリーアルバムCD「Manos」(=手)が姫路のハンモックカフェが運営するハンモックレーベルより9月17日に発売されます。(ハンモックカフェでは先行発売されているようです!)
今回、ぼくはこの作品のカバーアート(切り絵)で参加しました。音楽の解説などはハンモックレーベルのサイトにもあるので、ぼくは絵をつくった立場から、この作品について少し書いてみようと思います。
アートディレクションはアーガイルデザインの宮良当明さんです。ハンモックの中村夫妻とも宮良さんとも親しいですが、ふとしたところから、ぼくが担当することになったこのカヴァーアート。今回はどういう切り絵の作品にしようかという以前に、まず「アノニマス」=匿名性ということも意識しながら、「手」をキーワードに、「音を素直に形に表すとどんな表情になるだろう」ということを思いながら切っていきました。それは民芸品の感覚にも近いのではないかなどと思いながら3案ほどラフを作り、その中から選ばれて仕上げたのがこの案。
ジャケットのカバーアートを担当することになり、このCDの音源を毎日のように聴きながら、作品を考えました。モスカルディーニ氏のギターは、力強さもありながら柔らかく包み込む感じがあり、丸に近いけれどザックリとした円形でもある形をモチーフに、音の粒を並べて音楽を表現したいと思いました。中間色も多く使い、やわらかい音の表情を出しています。音は余白があることでより美しく刻まれていきます。余白が音をつくるとも言えるのかもしれない。ギターの音色は、途切れずに次の音へとつながって音楽になります。音楽を聴くという感覚と、音を聞くという感覚はどう違うんだろう。そんなあれこれを思いながら、ざっくりとした切り跡も残しながら音の断片を切り、手で音楽をつくるように少し重ねて並べていくと、自然と絵のようでもありながら模様のような作品になりました。音と音をつなぐことによって音楽になり、それは人々をつないでいく。また別の友人が「音楽でつながる関係って素晴らしいよね」と言った言葉も思い出します。切り絵の作品タイトルは Round & Sound for people です。CDのジャケット面は作品の中心部分を切り取ったものです。作品全体は、CDを開けるとブックレットの裏側に隠れているので、ご覧になってみて下さい。
このCD、毎日のように食事の時など聴いていますが、とっても心地良い。音も心地良いし、曲も心地良い。そして普遍的なものを強く感じます。音楽も、使う道具も、家具も、洋服も、民芸も。ぼくは普遍的なものを長く楽しんでいきたいです。この作品は、ぜひたくさんの方に聴いていただきたいです。どうかよろしくお願いします!
◉カルロス・モスカルディーニ「マノス」
Carlos Moscardini / Manos
*ハンモックレーベル第2弾 2 hummock
*ハンモックレーベル こちら
Amazonでも9月17日より発売 こちら
つくっている最中の写真が出てきました