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作品181_伊藤恵理美さんの詩集の装丁 [作品]

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昨年末12月ごろに、藤富保男さんと一緒に進めた詩集の装丁があった。あざみ書房から出るという本が完成し送っていただいた。伊藤恵理美さんという、東北在住の女流詩人による詩集「願いの玉」。ぼくの作品のポストカードを見ていただいて「チューリップ」という、これに近い緑バックの作品を気に入っていただいたとのことで、この詩集のために若干バランスを調整して原画を作り直して使うことにした。

本というのは文字だけの世界だから、表紙によって大きく本の第一印象が変わってくるのだと思う。もともと、花をモチーフにしたこの絵は、ブルーノ・ムナーリの幾何学的な絵のようなイメージで、60年代の広告モチーフのような作品をつくろうと思ってつくった。絵が持っている雰囲気にあわせ、余計なことをしないシンプルでモダンなデザインにしたいと思って進めた。この表紙により、詩に関わりがない人も手にとってくださればと思い。

実際、デザインの作業としては、①原画を作成 ②スキャナーで取り込んで絵をデータ化 ③色調整 ④配置&文字レイアウトなど全体のデザイン、という順に作るのだが、特に苦労するのは③の色調整。まず、実際に紙でつくった絵の色と、スキャナーで取り込んだあとの色は大きく変わってしまう。それを原画に近づけるという、考えてみればムダな作業に時間がかかる。でも、実際は印刷されるまで本当に出る色はわからないという。かといって、最初からパソコンで作ったら絵に味が出ないことはよくわかっている。結果、思った通りの色が出たので良かった。

今回、イラストレーション、帯、本扉(開いた中の表紙)のレイアウトまで担当させていただいた。こうして形に残るものを作れることは、やはりありがたいことだなと思う。詩についてはまったく素人のぼくは偉そうにコメントなどできないけれど、女性らしいあたたかい温度感のある詩だと思った。

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帯にはコーヒーカップ氏を配置
タグ:あざみ書房
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